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酵素剤スクラーゼ™ A

基原

Aspergillus usamii

力価

  • ペクチン糖化力:12,000 u/g以上
  • キシラン分解力:400 u/g以上

特長

スクラーゼ™Aは、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、プロテアーゼをはじめ、リパーゼ、アミラーゼ等を含有した複合酵素です。

植物成分抽出用途

植物細胞は、キシランをはじめとするヘミセルロース、ペクチン、セルロース等から成る強固な細胞壁によって囲まれています。さらに、個々の細胞は主にペクチンによって結合されており、植物組織を形成しています。植物の有用成分は主に細胞壁の内側に存在し、細胞壁を崩壊させることによってこれらを効率的に抽出することができます。ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素を利用して多くの植物成分の収率を向上させる技術が開発されています。

植物細胞の構造モデルと構成成分

スクラーゼ™Aは、植物細胞に対して次のように働き、細胞内の有用成分の抽出効率を高めます。

  1. 1.ペクチナーゼが細胞の結合部(中層)に作用して、細胞をバラバラにする。
  2. 2.個々の細胞に、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼなどが作用して、細胞壁および細胞膜を崩壊させる。
  3. 3.細胞内部のでんぷん、たんぱく質、栄養成分などが効率よく溶出する。
植物成分抽出に酵素を利用した例
グァバ葉、コーヒー、羅漢果、ココア、昆布、エリンギ、(以上、エキス抽出)、野菜(フレーバー)、ニンジン・みかん(カロテノイド抽出)、茶(ポリフェノール類抽出)、柑橘類(オイル抽出)、トマト(リコピン抽出)、アロエ(多糖類抽出)、海苔(ガラクタン抽出)、バニラビーンズ(フレーバー抽出)など。

果実・野菜エキス清澄用途

果実・野菜組織中に含まれるペクチン質は、粘性に富んだ高分子で果汁混濁の主な原因となり商品価値を低下させる他、ろ過性の低下による生産効率の悪化を引き起こします。スクラーゼ™Aに含有されているペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ(キシラナーゼ)、プロテアーゼの総合的な働きにより果汁を効果的に清澄します。スクラーゼ™Aに含まれる酵素は酸性条件下においても、力価が低下しないため、果汁清澄に非常に適しています。

植物の種類によって最適な添加量、反応時間は異なりますので初めてご使用の際には予備試験によって使用条件をご確認ください。酵素反応終了後は、必要に応じて失活処理を行ってください(参考:pH4.0、80℃、30分間の処理でペクチナーゼは100%失活)。

果汁清澄用途の場合の添加量の目安

果実の種類 添加量(%)
夏みかん 0.01~0.04
温州みかん 0.01~0.03
りんご 0.005~0.02
ぶどう(加温搾汁) 0.01~0.05
果実の種類 添加量(%)
0.02~0.1
いちご 0.01~0.04
あんず 0.02~0.05
洋なし 0.02~0.05

成分及び重量%

成分名 配合量
ペクチナーゼ 100%

包装形態

  • 1kg:ポリ袋・紙箱

表示方法

/ペクチナーゼ、/酵素、表示なし

※最終商品において熱失活されたり、除去されたりしていて酵素としての本質を有しない場合は加工助剤となり表示免除となります。

酵素特性(pH、温度)

ペクチナーゼ活性

pH活性

pH安定性

キシラナーゼ活性

pH活性

pH安定性

ペクチナーゼ活性

温度活性

温度安定性

キシラナーゼ活性

温度活性

温度安定性

実用試験

果実・野菜の分解試験

蒸留水に溶かしたスクラーゼ™Aを各検体(前処理は施していない)に対して1%(w/w)となるように添加し、40℃でゆっくり振とうしながら19時間処理した。

スクラーゼ™Aに含まれる酵素の複合的な働きにより、全てのスクラーゼ™A添加検体(+)がスクラーゼ™A未添加検体(-)と比較して軟化し、オレンジ、キウイフルーツ、トマト、コメでは崩壊・溶解が顕著であった。タマネギ、ゴーヤでは溶液の澄明化が確認された。

ペクチン分解試験

温州みかん果汁に対して0.03%のスクラーゼ™Aを添加し、40℃で反応させ、残存ペクチン量を測定した。

果汁中のペクチンを効果的に分解することが確認された。

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