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酵素剤ホスホリパーゼ A1

基原

Aspergillus oryzae (麹菌)

力価

  • ホスホリパーゼ力価:10,000~13,000u/g

特長

ホスホリパーゼA1(PLA1)は、レシチン(リン脂質)の1位のアシル基を効率よく加水分解する酵素です。ブタ膵臓由来ホスホリパーゼA2(PLA2)とはレシチンへの作用部位が異なりますが、PLA2と同様にレシチンからリゾレシチンと脂肪酸を生成します。

リゾレシチンは、レシチンと比較して乳化性に優れ、pHや温度変化に対してより安定なエマルジョンを形成します。また、カルシウムやマグネシウム等の金属イオンが高濃度に共存しても乳化性が低下しないなど、優れた特性を持つことが知られております。PLA1は、このような特性を持つリゾレシチン製造に用いられるほか、油脂の精製、小麦粉の物性改良等に利用されます。また、レシチンを含んだ衣類・食器の汚れ、化粧品等に対しては、洗浄を助ける効果が期待できます。

各種ホスホリパーゼの作用部位

成分及び重量%

成分名 配合量
ホスホリパーゼ 100%

用途

リゾレシチンの製造、植物油の精製、製パン

包装形態

  • 1kg:ポリ袋・紙箱
  • 10kg:ポリ袋・ファイバードラム

表示方法

/ホスホリパーゼ、/酵素、表示なし

※最終商品において熱失活されたり、除去されたりしていて酵素としての本質を有しない場合は加工助剤となり表示免除となります。

酵素特性(pH、温度)

pH活性

pH安定性

温度活性

温度安定性

使用例

用途 一般的な使用量

リゾレシチン製造

大豆レシチン、卵黄レシチンにホスホリパーゼA1を作用させて得られるリゾレシチンは、天然の優れた乳化剤、界面活性剤であり、食品(マーガリン、チョコレート、コーヒーホワイトナー等)、医薬品、化粧品、磁気記憶媒体等に利用できます。
特許第3022131号「ホスホリパーゼA1とその利用」ご参照
500-10,000u/kg
(対ペーストレシチン)

油脂精製

大豆油、ナタネ油等の粗原油にホスホリパーゼA1を作用させ、不純物としてのレシチンを効率よく分解し、油脂からの物理的な分離を可能にします。
特開平11-131089「油脂の精製方法」ご参照
10-2,000u/kg
(対油)

小麦粉物性改良

ホスホリパーゼA1をパン生地や麺生地に直接添加し、小麦粉に元々含まれているレシチンをリゾレシチンに分解します。生地中のリゾレシチンは、生地を練る間にたんぱく質やでんぷんと結合し、グルテンの網目構造の形成を助け、パンや麺の物性を改善すると共に、老化を防止します。
10-100u/kg
(対パン生地)

応用試験

リゾレシチン製造

ペーストレシチン(アセトン不溶物60%)
↓←ホスホリパーゼA1 1,760u/kgペーストレシチン
撹拌・均一後、50℃、17時間
↓←反応停止
リゾ化率37%

油脂精製

各pHにおける油相からの遊離
粗油 47.5g
↓←2.5mL酵素液(ホスホリパーゼA1 2,000u/50mL pH3~5.3クエン酸緩衝液)
撹拌(60℃、4時間)

10,000rpm×10分 室温で遠心分離

水層を分取し、リン脂質含量測定
(酵素液の代わりに各Bufferを2.5mL加え、Blankをもとめた)

小麦粉物性改良

製パン加工性及び製品品質
ホスホリパーゼA1を108u/小麦粉1kg添加した場合、生地の伸展性改善効果が認められた。また、パンの品質改善については、36u/小麦粉1kgを添加した場合、食感のソフト化及び口溶け向上効果が認められた。

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製菓・製パン(小麦粉改質)

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